うまくなる とは?
- komashiroh
- 5 日前
- 読了時間: 4分
8年前、インスタグラムを始めたのは、カットモデルに出会い、研鑽を積み、「うまくなる」ためでした。
当時、息子は7歳、娘は3歳。
子供たちとの時間を優先したい時期でした。
その頃の美容業界には、
どこか「一人の力では上手くなれない」という空気があったように思います。
上手くなりたい。でも、子供とも一緒にいたい。
でも、一人では上手くなれないと言われる。
本当にそうなのだろうか。
私は昔から、趣味で絵を描いていました。
ただ一人で紙に向かい、思い描いた絵になるまで、手を動かし続ける。
その作業自体が好きで、ただ夢中で描いていました。
当時の私は、「上手くなりたい」というより、
「ああ、これいいなあ」
という感触を追いかけていたのだと思います。
ありがたいことに、絵が売れたり、イラストの仕事をいただけることもありました。
でもその頃の私には、「上手いとは何か」という明確な定義はありませんでした。
そんな時、あるイラストレーターが、
自分の絵を一週間ほど目につかない場所にしまい、
先入観が消えた頃に見返して、クオリティを確認する。
という工程を経ていることを知りました。
それを聞いて私は、
「自分の作品を、できるだけ客観的に観察する」
ということを意識するようになります。
描いたものを見返し、どう感じるか。
そこから次に湧いてくる、
「もっとこうしたい」を観察する。
その感覚を、美容の仕事にも持ち込みました。
インスタグラムの投稿やストーリーに、
カットさせていただいた方々の写真や、練習ウィッグを載せていく。
その中で私は、
切らせていただいた方の存在感や表情が、「素敵だな」と感じられるか。
このカットを、「これが私の仕事です」と胸を張って言えるか。
それを基準に、作品を上げるようになっていきました。
当時の目標は、
「切らせてくださるすべての人を、作品として堂々と載せられるようになること」でした。
自分の仕事を映像として見返しながら、
なぜこのヘアスタイルは魅力的に見えるのか。
人は何に惹かれて、「この人に切ってほしい」と思うのか。
そんなことを、ずっと考えていました。
つまり私は、
他人の主観を借りられない代わりに、
自分なりに客観性を持って仕事を観察できる「仕組み」を作ろうとしていたのだと思います。
美容師は、最終的には一人でサロンに立ちます。
誰かが隣で、「ここまでできたら合格」と決めてくれるわけではありません。
自分の仕事をどこで「よし」とするのか。どこを目指し、何を美しいと思うのか。
その基準は、結局、自分自身の中にある。
私は、「うまさ」とは、目標とする完成度に対して発揮されるもの。
なのではないかと思っています。
そして、その目標を誰が設定するのかといえば、
それもまた、自分自身の感情です。
だからこそ私は、自分が本当に「いい」と感じられるものは何か。
どんな時に「もっとこうしたい」が湧くのか。
その感覚を観察し続けてきました。
その活動を続けて8年。
「きれい」とは何か。
「上手い」とは何か。
再現性とは。
持続性とは。
気の遠くなるような数の概念と向き合いながら、
曖昧だった感覚を、体験を通して少しずつ言葉にしていく。
すると、行動目標が具体的になり、
「こうなったらいいな」
を、どうすれば形にできるのかを、考え続けられるようになりました。
今の私は、
「うまくなる」とは、
自分が作りたいと願ったものを、生み出せるようになること。
なのではないかと思っています。
そしてその土台には、
自分の意思を感じられること。
自分で目標設定ができること。
結果を客観視できること。
改善点を見出せること。
という、一連の積み重ねがある。
その状態に立てて初めて、
「うまくなる道筋に立てている」
と言えるのかもしれません。
もちろん、私自身まだまだ発展途上です。
作品に向き合うたびに、「もっとこうしたい」
は尽きることなく湧いてきます。
でも最近は、
「うまさ」を完全に定義することはできなくても、
「うまくなる仕組み」の中にいるかどうかは、定義できるのではないか。
そんなふうに思っています。
それを探し続けてきた8年間でした。
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